口腔ケアOral care
「生きる」を支える口腔ケア
今年度、当医院では「生きる」を支える口腔ケアを目標に掲げ、私たちの知識・技術をより確実なものにするために、今まで、摂食や嚥下・口腔ケアを中心としたさまざまな研修に参加してきました。
また、先日は外部の先生をお招きし、医院内で口腔ケアセミナーを開催しました。施設の職員の方にも参加していただき、質問等もしながらの充実したセミナーとなったように思います。
高齢化が進む現代。訪問診療や訪問口腔ケアが重要視され、私たちも多くの方々のお口の健康維持のお手伝いをさせていただければと強く願っています。
寝たきりで自由が利かなくなってしまった方ご本人も介護をされているご家族の方もいつまでもお口の中をきれいに維持しておきたいという思いは同じだと思います。 訪問診療や訪問口腔ケアの依頼があれば喜んでお引き受けいたします。
気軽に声をおかけください。
口腔ケアとは?
口腔ケアとは口腔清掃だけではなく、感染症予防、口腔機能や全身の健康維持・回復、日常生活動作・生活の質の向上を目的に行います。口腔ケアには、器質的口腔ケアと機能的口腔ケアがあります。
- 器質的口腔ケアとは
- 口腔内の衛生状態の維持・改善
- 機能的口腔ケアとは
- 口腔機能の維持・改善
口腔ケアの効果
口腔疾患の予防
ムシ歯や歯周病の予防、治療を行います。
誤嚥性肺炎の予防
口腔の細菌を減らし誤嚥性肺炎を予防します。
摂食嚥下機能維持・改善
年齢とともに衰える摂食嚥下機能を改善します。
脳の活性化
口と脳は関係が深く、口腔を刺激することにより脳を活性化させます。
介護予防効果
口腔機能が維持・改善されると日常生活活動動作を活発にし、介護負担の軽減に繋がります。
特老施設「そよ風の森」
口腔ケア講演会
当医院の歯科衛生が中心となり川西町家族介護教室の一環として、特老施設そよ風の森で、高齢者を介護されているご家族を対象に、口腔ケアーについてのお話と実技を指導してきました。
- 母が寝たきりで居りますが、食事は義歯で食べることが出来ます。
しかし、このごろ体が痩せたせいか、義歯が合わなくなり、食べ物もすすまなくなりました。治していただきたいのですが、往診とかしていただけるのでしょうか? - それは大変お困りですね。
以前から訪問診療を行っていますので、気軽に連絡いただけたらと思います。
時間を決めてから伺うようになります。介護を受けられている方で、お口から食べ物を摂取できるようになるとお顔の表情も生き生きとなり、全身のリハビリにも効果があることが実証されています。噛むことだけでなく、口腔のケアをすることで、嚥下機能も回復し誤嚥性肺炎などの予防にもつながります。口腔ケアだけの訪問も行います。 当医院では、院長はじめ口腔ケアを担当する歯科衛生士もふくめスタッフ全員が咀嚼、嚥下機能に関する研修会、訪問診療、口腔ケアに関するセミナーに以前よく参加して知識や技術を研鑽してきています。 今回、11月には、当院で、介護に専門に関っておられる歯科衛生士の方を招聘して、実習をまじえて口腔ケアの研修を行いました。 当地区の老人施設のスタッフの方も参加されました。
以下がその時の様子です。
口腔ケアセミナー
先日11月4日(水)に院内で口腔ケアセミナーを開催しました。
デンタルサポート株式会社から口腔ケアに関して豊富な経験と知識を持っていらっしゃる伊藤歯科衛生士をお招きして講演・実習をしていただきました。 内容は大変充実したもので、摂食・嚥下の基礎から実践まで事細かに教えていただきました。
物を食べるとき、飲み込むとき、人の口の中はどのような動きをするのか。口の中に何かしらの障害があるとどれだけ食べづらいか、飲みづらいかが実習を通して体験できました。 この「体験する」ということは患者様の立場に立つ上で必要なことですが、同時になかなかできないことです。 貴重な経験でした。実際の口腔ケアの仕方も手取り足取り教えていただき、多数質問もさせていただきましたが、丁寧にお答えしてくださいました。
「その人が私たちのことを覚えていなくても、私たちの手の温かさは覚えてくれています。」
という言葉が大変印象に残っています。これは私たちがこれから口腔ケアを行っていく上で大きな励みになります。 今までも訪問診療は行っていましたが、これからは積極的に患者様を思う気持ちを忘れず、さらに勉強を重ね、皆様に手の温かさを伝えていければと思います。